2008年9月24日

時価会計

 
先週は、9月15日にリーマンブラザーズの破産申請。
続いて、メリルリンチがバンクオブアメリカに買収。
さらに、17日には世界最大の保険会社AIGの事実上の破綻、国有化。
と、ウルトラ級の事件が起きた週でした。

この週だけは普段読まない銘柄の新聞まで読みあさりました。
新聞社によって書いてあることは色々。これがまた勉強になります。
「アメリカの金融危機はこれで○合目」
「金融危機はこれからが本格的な・・・」
など、色々な見方があります。

本当のことは、誰にもわからないのではないでしょうか。
分かれば「神」とか「預言者」になれますもんね。
歴史になってみて初めて分かることかと思います。
ただ、過去、歴史を振り返る、学んでみると、いくつか重なる部分はあり、
少しは先が読めるようになるのかとも考えます。
そして、最悪のシナリオを想定し仕事、生活の
スタンスをとっておけば慌てることはないと思いますが心配の種はつきません。

新聞、経済雑誌に書いてあったこと気になったことが一つ。
正確ではありませんが、1990年頃からでしょうか、
世界的に企業会計は時価会計を採用するようになり、
アメリカでは、時価会計基準が昨年11月から導入されました。

不動産、株、債権などの資産が上昇過程にあるときは、
好業績の決算が報告できるのは分かります。
しかし、今回のように資産が下落、暴落の過程にある場合は
当然に時価評価も下落、暴落し決算も悪化。
そうなると、株価も下がり資金調達もできなくなってしまいます。
それらを補うために資産を売却する。
そうすると、マーケットではさらに価格の下落。
どうしようもない負の連鎖です。

簿価での決算であれば、時価と簿価の差額が存在するため、
カバーできる部分もあったかもしれません。
しかし、時価会計が基準となってしまった今は
どうにもならないのが現状といったところでしょうか。
アメリカでは時価会計を取り入れた途端に金融システムの崩壊。
時価会計が企業のバランスシートを崩壊に導き、
企業の崩壊にもつながりかねない状況かも。

このようなことを補うためでしょうか、SECが9月19日から2週間、
延長されて4週間、金融株799銘柄について先物空売りの禁止策を行いました。
しかし、時限的に力技でこのような策を施した後の反動は大丈夫でしょうか。
1ヵ月後がかなり心配です。10月19日は日曜日ですから17日がリミットですか。
何もなければいいのですが・・。

23日には、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は、
金融機関に証券化商品を時価評価させる時価会計ルールについて、
ルール適用を一時的に停止しても、投資家の信頼を
さらに低下させるだけだとの見解を示していますし、
米財務会計審議会(FASB)のハーツ会長は前週、
特に流動性が低下した市場において時価評価に問題があるのは明らかだとしながらも、
マイナス材料があるという理由だけでルールを一時的に停止したり変更することはできないと述べています。

ということは、負の連鎖はつづく・・・?

スーパー土地家屋調査士を目指す佐原法人の今日の結論、

時価会計の存続 + SECの空売り解除 = 10月はNYダウは ↓↓ ?

素人の無理やりのこじ付けなので参考にしないでください。


原油が108ドル台へリバウンドしています。
原油高は生活に直撃しますのでついつい目が行ってしまいます。
せっかく少し下がってきたガソリンの値段に影響がでてしまうのでしょうか・・。

つづく・・・


2008年9月19日

ドルが不足?

 
今日の新聞一面は刺激的な見出しでした。
日米欧中央銀行による19兆円の米ドル資金供給。
しかも、日銀のドル市場供給は初めてと。どえらいことになってきているような気がします。
で、日銀のオペは年末までに500億ドルと・・・・。
うーーん、日銀は500億ドル分のドル紙幣を持っているのですね・・。

この状況を見るに、市中のドルCASHが不足していると個人的に考えてしまうのです。
ドルの現金がない、足りない・・ということのような気が・・・。
なぜか・・?

庶民である土地家屋調査士佐原法人が考えるに・・・

アメリカの産業が物造り、技術開発を後回しにしマネーゲームに走った。

金融工学を駆使した実体のないペーパーマネーが氾濫。

差入れ金、証拠金、元本は「ドル」。

レバレッジを利かせた取引。

バブルの崩壊とともに元本以上の負債。

ドル建てで行っていた取引はドルで返済しなければならない。

実態以上のドルが必要になってきた。

よってドル不足。

ドルの供給が必要。

こんな感じでしょうかね。

ほかにも、サブプライムローンによる金利の上昇で返済不能

不動産の下落

返済不能

不良債権

いろいろな要因が組合わさっての結果ってことですかね。

ドルの供給が必要ってことはドル不足?
需給のバランスから考えると不足している物は値段が高くなるってことですよね。
ということは、今後はドルも高くなるということかも?
確かに日本のバブル崩壊後も円が79円台まで高くなったことを覚えています。

当時を振り返ると・・
バブル経済崩壊 → 自国通貨の上昇 = 不況


しかし、世の中の経済学者、アナリストなどはドルは80円まで下がる。
いやいや60円まで下がるなどと言っておられる方もみえますね。
確かに、市場に19兆円もばら撒けばだぶつきますよね。
であればドル安かあ。世の中の風向きもドル安のようですし・・。
でも、こんなときって結構反対に動くのが相場だったりするんですよね。
さて、個人的にドルはロングポジションとして考え、5年後にこのブログを見ることとしましょうか。

恥ずかしい思いをするか、すごいとなるか・・。


ドル円建てで貿易を考えると日本国内の物価は・・
ドル高になると、物価高、自動車などの輸出は○。
ドル安になると、物価安、原油などの輸入は○。

いずれにしても為替の急激な変動は好ましくないということのようですね。
だから、中央銀行の介入ってことなのですかね。
自分で納得してしまった。
しかし、ドルはロングポジションと・・・。
今日も5日線に下支えされて、200日線の時と同じ、300日線での押し目&リバウンドの2円以上のドル高。

つづく

2008年9月15日

リーマンブラザースが破綻

今日の夕方、アメリカ証券業界代4位のリーマンブラザースの破綻が報道されました。
3月のベアスタン-ズの実質破綻に続くものです。
日本の市場に照らし合わせると97年の三洋、山一證券の破綻と同じ道のりに写って仕方ありません。
しかし、日本の場合と比べるとあまりにも早いです。
それだけ今回のサブプライム問題を発端とする金融問題が巨大すぎて底知れないことなのでしょう。
このリーマンBr、資本力は野村HDの2.6倍とのこと。
それが破綻とは驚きを隠せません。


米国で何かあるときって、日本のマーケットが休場である場合結構多いような気がするのは私だけでしょうか。
今日も、日本のマーケットは休場。プラス中国、香港、韓国も休場。
よかったのか、悪かったのか・・。

で、このような状況でGSRを覗いてみますと、なんと71ではありませんか!
9月7日にこのブログでインテグリティ・バンクの破綻を書いたときは65。
GSR指標があがるのが早いような気がします。
また、数値が高くなるほど金融機関の破綻も多くなるような気が・・。
そして、歴史が繰り返されているような気が・・・。
なんだか、今年は世界経済、ペーパーマネー投資の終焉へのプロローグの年って感じがしてしまいます。

米国の証券会社大手が破綻したとなれば、当然ドル円にも影響は出るはず。
これも覗いて見ましたら、ロンドン市場が開場している午後5時38分に104円50銭台をつけたものの
それからは、NYが開場している16日の午前0時には106円台を回復。
普通に考えれば今日のような事件があれば当然ドル安に進むはずですが持ち直している。
不思議なのです。協調介入でもされているのでしょうか?分からないことばかりです。

さらに原油を覗いてみると、95ドル台と147ドルから約3分の2に。
まだまだ、高いですけどずいぶん下がってきました。
これで、ガソリンも下がってくれることでしょう。

ちょっとだけどうでもいいお話を・・。
先日、車を運転していたところ、ガソリンのメーターのエンプティーランプが点いていました。
いつもガソリンは、キーホールダー式のクレジットで大体きまった所で入れるのですが、
その日は、近所にそのクレジットが使えるスタンドがありませんでした。
そのような日に限って財布の中をみても1000円しかありません。心細いばかりです。
どうにもガス欠で止まりそうでしたので、何とかセルフスタンドまでたどり着き1000円分を給油。
何も考えずに1000円を投入し給油レバーを握ったら一瞬で給油完了です。
え?もうおしまい??
給油量約5.5リッター。このときほどガソリンが高いと感じたことはありませんでした。
原油が3分の2になったのだからガソリンも早く3分の2になって欲しいものですね。

2008年9月7日

米地銀インテグリティ・バンクが破綻

今年に入って10件目の米銀行破たん。

http://www.fdic.gov/bank/individual/failed/banklist.html

この破綻ペースは1929年の大恐慌以来のもので、
米サブプライム問題を発端とする不動産市場の低迷によるものが背景にあるようです。
これって日本のバブル経済崩壊の時と酷似する・・・?
いやいや個人的にそれ以上とも受け取れます。

NYタイムズ、ブルームバーグ、ウオールストリートジャーナルなどを見ても、
「1929年」とか「大恐慌」といった言葉が見られるようになりました。

日本の不動産業界を眺めていると銀行の貸し渋りによるゼネコン、デベロッパーの倒産が
でいていると新聞、ネットなどに掲載されていました。
貸し渋り、貸し剥がしは、バブル経済の崩壊後によく聞いた言葉ですが、
20年もたたないうちにまた聞くようになるとは・・・歴史は繰り返されるものだと痛感しました。

さて、米銀行が破綻したときにマーケットどうなっているか覗いてみました。
すると、凄い指標が出ていました。
それは、「金と銀」についての指標「GSR」です。値段ではありません。
このGSRという指標は何事もなければ大体50前後の数値を示しています。
が、たまたま覗いてみたら「65」を超えているではありませんか!
大きな経済の変化があるときに数値が上下すると言われています。

http://www.kitco.com/market/index.html

銀行が破綻したからGSRが上がるのか、GSRが上がるから銀行が破綻するのかは
分かりませんが、マーケットで連動されていることは間違いないでしょうね。

米経済、歴史ある自動車産業も苦境に立たされ、不動産、金融なども同様と。

日本はどうであろうか、どうなるであろうか・・勉強せねばならない。