2004年11月7日

名古屋での「伊能忠敬の日本地図展」無事終了しました。
沢山のご来場ありがとうございました。

10/30(土)、10/31(日)には、ナゴヤドームに23,766名
11/2(火)?11/7(日)には、徳川美術館に約12,800名という沢山の方がご来場いただきました。
私も、展示スタッフとして参加させていただきましたが、関心の高さには大変驚きました。

伊能忠敬が制作した日本地図(略称・伊能図最終本)は、
大図214枚、中図8枚、小図3枚で構成されています。
中図8枚と小図3枚は国内に写しが伝存することを確認しているが、
大図写しは国内各地を合わせて約60枚の現存が知られているのみで、
ほとんど滅失したと考えられてききました。
このほど、アメリカで伊能大図写し207枚の所在を確認したため、
今回、「アメリカ伊能大図里帰りフロア展」として日本各地で展示会が開催されているものです。
私は、ナゴヤドームで伊能大図(日本全土)を並べるお手伝いさせていただきましたが、
そのボリュームの凄さには大変驚きました。
今では、技術や機器が発達し、人口衛星などで出来てしまいますが、
それを全て、歩測などの手作業で作ったとは・・・19年もの歳月がかかるはずだよ。
昔の人はやはり凄い!と。

色々と、質問される人も多く、多かった質問の一部をご紹介させていただきます。
質問1.どうしてアメリカで発見されてのですか?
    (どうしてアメリカに日本の地図があるのですか?)
答え それは、不明です。(すみません)
    アメリカ議会図書館に1897年には既に存在していたとされており、
    入庫記録も残っていないために不明とのことです。
    戦後の混乱期に米軍が持ち帰って入庫されたことはないようです。

質問2.縮尺はどれくらいですか?
答え  大図が3万6千分の1
     中図が21万6千分の1
     小図が43万2千分の1 となっています。

質問3. 精度は良いのですか?
答え  今の精度と比べても大きな差はなく、95%以上の精度で作られています。
     色々な説があるため詳細は調べることが出来ませんでした。

質問4. 伊能忠敬は何年で地図を完成させたのですか?
答え  西暦1800年の春(55歳)から東北を出発して、
     1816年の冬まで、日数にして、3753日かけて測量を行いました。

質問5.伊能忠敬は歩測で日本全土を測ったと聞きましたが本当ですか?
    また、歩幅はどれくらいあったのですか?
答え 全て歩測という訳ではなく、「導線法」という技術では、鉄のくさりや、
    藤で作った「ものさし」も併用して測量を行いました。
    歩幅は一歩が69センチとされています。

他に色々な質問がありましたが、私も不勉強で答えれない部分もあり、
ご来場された方には失礼があったかもしれません。
この場をお借りしてお詫び申し上げます。
ここには、皆様からの質問で多かったものを掲載いたしました。
このような機会がなければ私も勉強などしなかったことでしょう。
今回は、大変良い経験をさせていただきました。    

徳川美術館での質問番外編
質問1 トイレはどこですか?
質問2 庭園にはどういったらよいですか?
などなどでした。