2007年8月16日

どうなる?不動産

8月3日アメリカの大手住専である「American Home Mortgage Investment」が倒産したそうです。2001年からの低金利で住宅産業を軸に好景気が続いていましたが、アメリカもいよいよ不動産バブルの崩壊といった感じです。20年前の日本のバブル経済の崩壊と同じような感じです。しかし、同じバブル経済の崩壊でも日本とアメリカのそれとでは意味が違いすぎます。日本経済の崩壊はローカル、アメリカ経済の崩壊はグローバル。すなわち世界経済に影響を及ぼすのではないでしょうか?

 今回の経済現象は2005年12月27日に起こった長短金利の逆転現象が現れた時点が前兆と言われています。2000年にも金利の逆転現象が起きその後ITバブルが崩壊。その周期1年半ほど。今回もピタリ!歴史は繰り返されるといった感じですね。

 金利は経済を左右し非常に敏感なことが私のような経済の素人でも簡単に分かります。アメリカの住宅バブルがはじければマーケットに影響を及ぼし、当然に日本経済にも影響は出ると考えられますのでこれらを考察してみました。

 先日路線価が発表されましたが、大都市の一等地では大幅な地価の上昇。要因としては、外資、再開発、マンション建設、ファンド、リートなどではないでしょうか?
専門家から見れば表面的な要因でしかなく、もっと根は深いと言われるかもしれませんが、私は不動産調査、測量、登記が専門ですのでご容赦下さい。しかし、物件調査、測量、登記で直接市街地の物件に携って肌で感じ、また隣接業者との情報交換により得た事柄ですので、それ程ずれてはいないと思います。

 さて、上述のアメリカの経済状況と最近の日本の不動産ブーム(ピンポイントバブル?)、金利の上昇傾向とを合わせて今後の日本の不動産業界にもたらす影響を考えてみました。

 まず、個人の住宅ローンから考えてみますと金利が上昇すれば長期固定金利以外の商品は、当然に月々の返済額は増えます。併せて不況に入ると毎月の給与にも影響を与え家計を圧迫します。両方からのプレッシャーを受けることになるのでしょう。

 また個人住宅、マンションの需要も日本の減少傾向にある人口から考えると先細りと考えてよいと思います。しかし、大都市に人口の集中傾向があるとの発表からみると、名古屋圏を含む大都市では地価の値上がり傾向は続き、不動産ブームの終焉はまだしばらく先で需要は見込めるとも考えられます。しかし、これも金利の上昇とアメリカ発の不況から購買意欲は薄れるのではないでしょうか。

 次に、ファンド、リートなどは低金利で高収益が望めるうちは魅力を感じますが、金利の上昇により収益を望めなくなると魅力は感じなくなります。配当利回りを上げるために家賃を上げることも手段の一つかもしれませんが、これは少し無謀なような気がします。また、金利が上がればリスクの少ない銀行預金に戻ってくることも考えられますし。

 何だか暗いブログになってしまいました。しかし、世の中何が起こるか分からない時代です。最悪の事態を考えて、リスク、ポートフォリオを整えておくと少しは安心できるのではないでしょうか? 

最後に個人の不動産購入について思うことは、同じ物件であれば当然に安く買えるにこしたことはありませんが、そこで幸せな家庭を築いて平和に暮らしていくことが大切ではないかと思うのです。

ですので、今が買い時とか、この先はもっと価格が上昇するからといった投資、投機的な見方をやめ、ご自身の家庭、ライフスタイルなどを一番に考えて不動産の購入を検討されるのは如何でしょうか?そうすれば雑念もなくきっと良い物件に巡り合えると思いますよ。