2005年5月2日

ヨットクルージング行ってきました!

同業者の方に誘っていただき、三重県津市から和歌山県勝浦まで
およそ26時間かけて行ってきました。
なんと言えばよいのでしょうか・・・・?
一言で言うと、乗船中は「非常に辛い!」の一言、船酔いです。
頭は重く、気持ちが悪く、立っていられない。

乗船して、30分位でこの症状が出てきました。
でも、誘っていただいた人に失礼になると思い、
はじめのうちは、から元気で頑張っていましたが、
段々と無口になる自分がいました。
分かっていても、どうにもならないのです。

今日は、業務日誌ならぬ、航海日誌を書きますね。
現在、5月1日午後11時、キーボードをたたいている今も
まだ体がふわふわと揺れています。
しかーし、また、行きたいと思うのはなぜでしょう・・・。

出航時刻4月30日午前4時、夜明け前に三重県津市のハーバーを出発!!
到着時刻5月1日午前6時、夜明けと同時に勝浦に到着。
都合26時間の長い船旅でした。

さてさて・・・下の地図が今回の発着地点です。
私は、5月2日は仕事ですので、1日の夜には名古屋に戻ってきたのですが、
他のクルーは、行ったからには戻ってこないといけません。
帰り道もクルージングです。タフな人たちですよ。

今回は、風が吹かないために、ほとんどエンジンで航行しました。
そのスピードと言えば、時速約6マイル 、分かりにくいですね。
時速に直すと、約10キロ!時速10キロと言えば、早歩きか、小走りですよね。
そんなスピードで、紀伊半島の先っぽまで行ってしまったのです。



↑私は、帰りは、勝浦から電車で名古屋に帰って来ました。その所要時間は、3時間半。
 この3時間半の時間の方が退屈でした。
 ヨットでの行きの、ながーい時間の時のほうが充実していました。


↑4月30日午前3時半起床。 夜明け前です。この船で行ってしまうのです。



↑出航前の整備、積み込みです。食料、燃料、水を積込みます。
 この写真は、水を補給しているところです。水さえあれば、何とかなるって言ってました。
 どのような状態をさして何とかなると言っているのでしょうね???
 まあ、漂流したとか、遭難、とかでしょうけど。
 なるようにしかならないってことでしょうね。


↑これも、運行前点検の様子です。
 でも、これはちょっと問題ありでした。
 船には、深度計と言うものがついています。海底まで何メートルあるか分からないと
 座礁する可能性がありますよね。特にヨットの場合は、キールと呼ばれる、重心を下に
 取るための重りのようなものが、2m近い長さでついています。
 この長さをを把握しておかなければ浅瀬に行った時にガリガリ!となりかねません。 
 
 でも、この時点で、船についている深度計の設定が分からなかったのです。
 海面からの深さか、キールの先からの深さか、船底からの深さか?
 そこで、重りを沈めて確認してみようとなってやっているところです。
 でも、よく考えてみると、今までもクルージングに何度も行っているのでは??
 え゜っ??今まではどうしてたの??
 この人たち、シブイぜ!なんだかワクワクしてきました。
 
 で、この写真に写っている人がまた凄いのです。
 後ほど、触れますが「男」でした。


↑これは、GPSといって、車で言うところのカーナビです。
 これがあれば、どこへでも行けてしまうのです。
 でも、これが壊れると、どうなるのでしょう?


↑午前3時54分同時刻に出航したヨットです。
 この写真はまだ伊勢湾の中です。波もなく穏やかですね。
 ここでも、またちょっとした出来事が・・・・。
 写真の船から、携帯がかかって来たのですが、やはり電波の状態が悪いみたいで
 会話ができないとのこと。ならば、無線機を使おうってことになったのですが・・・。
 下の写真に続く・・・・・。
 
 でもたしか、海上で携帯電話を使ってはいけないはずでは??
 まあ、気にしないで行きましょう!


↑そして、無線機を触っているところです。この写真人がメインのオーナーさんです。
 しばらく触って、デッキに上がってきて一言。 
 「この無線機壊れているよ。」
 「どうも、液晶の調子が悪いみたい。」何事もなかったかのように言っていました。
 私は「おーーーーい!!」って感じでしたが、まあ、なるようにしかならないとのことなので
 お任せするしかないですね。


↑これは、海図と呼ばれる、海の地図です。何が書いているかと言いますと、
 海岸線の位置、土地の高低、水深、底質、方位(真方位、磁方位、コンパス方位)、
 橋桁下の高さなどです。GPSがなかった時代は、この海図と分度器、三角定規を使って
 航行していたとのことです。極端なことを言うと、海図がなくてもGPSがあれば、
 大抵のところへ行けてしまうらしいのです。


↑これは、二見町の「夫婦岩」です。かすれてちょっと見にくいかもしれませんが、
 しめ縄が見えます。私は、初めてこの夫婦岩を生で見ました。 それも、海側です。
 この写真、ヨットから10倍ズームで撮影したものです。
 肉眼では、かろうじてしめ縄が見える程度でした。


↑途中立ち寄ったした港です。船での航行の際、到着した漁港の管理組合に一言言えば、
 いつでもどこでも入港しても良いとのこと。飛行機を飛ばす際に必要なフライト計画
 みたいなものを提出しなくても良いらしいのです。でも、北海道はダメらしいです。



↑大王崎灯台です。中を見るのにお金が必要でした。


↑この大王崎で、昼ごはんです。ここでは上陸して、おいしいカツオ茶漬けをいただきました。
 でも、写真を撮るのを忘れてしまいました。と言うより、気持ち悪くて、
 そこまで頭が回りませんでした。
 今回食べたカツオ茶漬けは、目的としていたものではないとのこと。
 いつも行く、お店屋さんが開いてなくて仕方なしにお隣の店にってことでした。
 いつもの店のほうが、味よし、値段も安く、ボリューム満点だそうです。
 でも、いつもって一体何回来ているの??と思いましたが・・・。

 今回でも、十分旨かったかったですよ。
 ちょっとレシピを・・・
 カツオを漬けにしたものをあったかいご飯の上に乗せる。
 薬味として、ねぎ、しょうが、刻みのりをパラパラとかける。これだけです。
 そして食べ方は、まず、鉄火丼状態のまま半分食べる。
 その後、ダシかお茶をかけてさらさらと食べる。こんな感じです。
 でも、それは丼で一杯食べて、二杯目にお茶漬けで食べたほうがもっと幸せかも・・。



↑それは、大王崎を出てしばらく経ってからのことでした。
 海面に漂流物が見られたため、避けながら航行していました。
 しかし、避けきれないため、スクリューに藻が絡まってしまい、航行が困難になってきました。
 スピードが上がらないのです。「これは、とらないとダメだね・・・」
 取るって言っても、海の中!???

 何か技でもあるのか?と思っていた所に、「何でかしらないけど、俺海パン持っているだよ。」
 え゜ーー???海に入るの??と思っていた所、その人はもう裸になっているではありませんか!
 おまけに水中眼鏡までしているでは・・・・。恐るべし海の男!
 すると、船尾から海の中に、「ちょっと冷たいかな?」とか言いながら、除去作業を・・・・。
 その様子が上の写真です。

 南に来ているとはいえ、まだ5月ちょっと冷たい所ではないと思います。
 それを、平気で海に入ってしまうのです
 その後がまた凄い!ヨットについているシャワーを簡単に浴びて、
 「乾くまでこのままでいるよ」って、濡れた海パン&裸でいるのです。
 で、回りの人たちも当たり前のように平然としている。
 やっぱり、シブイぜこの人たち!久しぶりに感動しました。
 


↑往路の到着地 勝浦です。長ーーーい船旅でした。そして、苦しい船旅。
 この時点で、5月1日午前5時40分。
 津を出てから、25時間と40分。このときの感覚では、もう3日くらい
 経っているかのような感覚でした。久しぶりに長い一日を経験しました。
 常日頃は、時間に終われる毎日、一日があっという間に終わってしまいます。
 でも、この日ばかりは、24時間が3日くらいの感じでした。
 これって、充実しているってこと???


↑ここホテル浦島で、温泉に入って、ランチバイキングをいただきます。
 ここでもびっくり!温泉6箇所入り放題、ランチはバイキングなので当然食べ放題!
 で、トータル1500円!!当然税込みです。すごく安いではないですか??
 
 ここでは、温泉2箇所に入り、サッパリしたところでバイキング。
 さらに、サッパリしたところで再度温泉にそれも、2箇所! 合計4箇所の温泉に!
 欲張りすぎかも・・・。でも、ヨットでの疲れが一気に飛んでいきました。
 
 ここの温泉は、洞窟、露天とバリエーションに飛んでいて、かなでも「山上館」と
 呼ばれる温泉は、エスカレータを3つ乗り継いで山頂まで行くのです。
 そのエスカレーターの長さが半端でない。一台のエレベータで下から上を見上げると
 降りるところは、遥か先。こんなの見たことないって感じです。
 それが、3台びっくりこきますよ。皆さん一度行って見てください。 


↑話は前後してしまいすが、いよいよ往路の目的地、勝浦に着岸です。
 5月1日午前6時。定刻どおりの到着です。


↑着岸後もゆっくりできる訳ではありません。船の中の片付け、整備をしなくてはなりません。
 それに何より、朝ごはんを食べなければなりません。
 私は、船に酔っていても、体調が悪くても腹だけは減るのです。
 不思議です。 


↑朝食後の散歩に市場に行ってきました。
 勝浦といえば、やはりマグロですよね。このときも、大きなマグロが転がっていました。
 とおり過ぎている人と比べてみてください。大きさが分かります。
 決して、遠近法ではありませんよ。 
 でも、このマグロいくらぐらいするのでしょうかねえ?


↑場面が変わって、なにやらお兄さんたちが、じゃんけんをしていました。
 じっと見ていたら、コーヒーじゃんけん、これは日本全国共通みたいですね。

この後、ホテル浦島に行き、温泉と昼食をいただき、
私は一足先に名古屋に電車で帰ってきました。
紀伊勝浦から名古屋までは、特急で3時間半。寝ていればあっという間です。
帰りの電車の中で、思いにふけっていると、不便な環境で、大変な思いをして
目的地にたどり着いて覚える感動と、電車で快適に来て覚える感動とでは、
雲泥の差があるって思ったものです。
たった26時間ぶりのお風呂と、ごく普通のランチバイキングにこんなに感動するとは
思いもよりませんでした。

便利になり、快適な環境で生活をしていると、人間の感覚は鈍ってしまい、
些細なことでは感動がなくなってしまうのでは・・・と感じました。
たった26時間の船旅でしたが、いろいろな経験、感動を覚えることができました。
これは、経験したことがある人でなければ分からないことでしょう。きっと。
次回があれば、きっとまた参加すると思います。
そのときには、また違った感動をここに記載させていただきます。
まだまだ、書きたいことはたくさんありますが、この辺で。

クルーの皆さん、大変お世話になりありがとうございました。
また、次回よろしくお願いいたします。